ダイムラー・トラックとボルボ、燃料電池合弁設立で最終合意

独自動車大手ダイムラーの商用車子会社ダイムラー・トラックは2日、燃料電池事業をスウェーデン同業のボルボと合弁化することで最終合意したと発表した。燃料電池システムの開発と生産、販売を共同で行い、大型トラックなどに投入する。

両社は4月下旬、燃料電池システム事業を合弁化することで基本合意した。今回の最終合意では、ダイムラーの燃料事業を統括する新会社ダイムラー・トラック・フューエルセルにボルボが約6億ユーロを投資し、折半出資の合弁会社とすることが取り決められた。当局の審査を経て来年上半期に取引が成立する見通しだ。

両社は3年後をめどに燃料電池搭載のテスト用大型トラックを顧客企業に提供。2020年代後半から量産を開始する。

燃料電池はトラック以外の分野でも使用できることから、新会社は外部にも製品を提供する意向だ。ダイムラーは英エンジン大手ロールスロイスの定置用緊急発電機向けに提供する方向で5月に基本合意を締結した。年内の最終合意を目指している。

停電時などに用いる定置用緊急発電機にはこれまでディーゼルエンジンが用いられてきた。ロールスロイスはこれを、水素を用いる燃料電池に切り替えることで二酸化炭素(CO2)を排出しないものへと切り替えていく。ダイムラーから調達する燃料電池の搭載製品を傘下のMTUブランドで開発・販売する。

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