独フォルクスワーゲン(VW)のチェコ子会社であるシュコダ自動車は19日、オストラヴァ工科大学と共同で、無人車と有人車による隊列走行実験「フォロー・ザ・ビークル」を行っていることを明らかにした。2台の乗用車を使い、有人の先頭車に自動運転の無人車を追随させる。シュコダは同実験を通じて高度道路交通システム(ITS)とスマートシティ・テクノロジーの知見を高め、新たな運転支援システムの開発につなげたい考えだ。
実験はシュコダの中型セダン「スペルブ」のプラグインハイブリッド(PHV)モデル、「スペルブ iV」を用い、工科大学の構内で行われる。先頭車のドライバーが走行ルートや車線、速度などを決定し、ハンドル操作や加減速に必要なデータを無線通信で後続の無人車に送信する。
試験車両の車車間・路車間通信(V2X)技術は、欧州電気通信標準化機構(ETSI)のITS標準規格「ETSI ITS-G5」に準拠している。データは3つの通信手段(4G、LTE、5G)を介して通信され、車間距離は最大10メートルまで保てる。車両が搭載する各種センサーやレーダー、カメラ、データ処理装置により、画像および3次元の対象物の識別や、車の周囲環境と交通状況の監視をリアルタイムで行う。
無人車を含む乗用車の隊列走行では後続車にドライバーが不要となることから、カーシェアリングサービス事業者やレンタル会社、フリート管理者の期待を集めている。