日立の海外家電事業、トルコ家電大手に売却

日立製作所は16日、家電子会社の日立グローバルライフソリューションズ(日立GLS)がトルコ同業アルチェリクと白物家電事業の合弁会社を設立すると発表した。日立GLSが2021年春に新会社を設立し、海外の白物家電事業を移管するとともに、新会社の株式60%を3億ドルでアルチェリクに売却する。両社は販売地域と製品ラインナップが補完的であり、協業により高いシナジー効果が得られると判断した。

新会社は海外における日立ブランドの白物家電製品の製造販売とアフターサービスを手がける。日立GLSの海外グループ会社12社(従業員約3,800名)は新会社に移る。研究開発や調達機能、生産システムなどの事業基盤においても両社の知見を合わせて最適化を図り、競争力を高めていく。

アルチェリクは主力の欧州に加え、近年は南アジアやアフリカでも成長が著しい。一方、日立GLSは東南アジアと中東に強く、製品のブランド価値が高い。日立GLSは今後、アルチェリクの販路を活用してハイエンドな自社製品の海外展開を拡大していく。

アルチェリクはトルコ最大の財閥系複合企業であるコチ・ホールディングの子会社。世界145カ国以上で家電事業を展開し、従業員は3万2,000人を超える。ベコ(Beko)やグルンディッヒ(Grundig)など12のブランドを持つ。

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