欧州委がビデオゲーム6社に制裁、競争法違反で

欧州委員会は20日、米バルブ・コーポレーションなどビデオゲーム6社に対して、EU競争法違反で総額780万ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。対象企業には日本のバンダイナムコ、カプコンが含まれる。

欧州委は2017年2月、電子商取引市場で複数の有力事業者が公正な競争を阻害した疑いがあるとして、ビデオゲーム、家電製品、ホテル予約の3分野で欧・米・アジアの計15社に対する調査を開始した。

うちビデオゲームでは、事業者が「ジオブロッキング(地理的制限)」を設け、消費者の居住地によって購入できるソフトを制限するなどし、消費者の選択肢を狭めた可能性があるとして、オンラインゲーム配信サービス「スチーム」を運営するバルブ、バンダイナムコ、カプコン、米フォーカス・ホーム、独コッホ・メディア、米ゼニマックスの6社を対象に調査を進めていた。

欧州委は6社がジオブロッキングによって消費者が居住する国以外でソフトを購入したり、購入したソフトを使用できないようにしたと断定。国境をまたいだオンラインサービスを制限するこうした商慣行によってデジタル単一市場の実現を妨げ、EU競争法に違反したとして、異議告知書を19年に送付した上で、制裁に踏み切った。

制裁額はフォーカス・ホームが288万ユーロ、ゼニマックスが166万ユーロ、バルブが162万ユーロ、コッホ・メディアが97万ユーロ、カプコムが39万ユーロ、バンダイナムコが34万ユーロ。バルブを除く5社は違法行為を認め、調査に協力したことから制裁を10~15%減額された。バルブは調査に協力したと反論しており、制裁額を不当として欧州司法裁判所に提訴する構えを示している。

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