住友化学は10日、ポーランドにポリプロピレン(PP)コンパウンドの生産拠点を設置すると発表した。需要の増大が見込まれる同素材の生産体制を強化する。2022年春に操業を開始する予定。年間3万トンの生産を見込む。
同国西部のポズナンに、新会社「住化ポリマーコンパウンドポーランド(SPCP)」を設立する。ポーランドや隣接する地域には多くの自動車、家電メーカーが生産拠点を構えるほか、環境規制の強化による電気自動車(EV)の普及もあり、PPコンパウンドの需要は堅調に拡大している。
PPコンパウンドは自動車のバンパー、内装材、家電製品の筐体(きょうたい)などに使われる高性能材料で、PPに合成ゴムやガラス繊維、無機フィラー(充填剤)を混ぜることで機能性や剛性を向上させている。住友化学は特に、軽量で成形性に優れ、強度と耐熱性の高いガラス短繊維強化PPコンパウンド(GFPP)に強みを持ち、バッテリーケースなどの自動車部品や家電製品向けに拡販を進めている。
同社はGFPPを英国やフランスの拠点に続きポーランドでも生産することで市場シェアを高めていく。