EU、モデルナからワクチン追加調達

欧州委員会は17日、米バイオ医薬品企業モデルナが開発した新型コロナウイルス用ワクチンについて、最大3億回分を追加購入する契約を結んだと発表した。同社からのワクチン調達は計4億6,000万回分に拡大する。

新契約では2021年に1億5,000万回分を追加購入する。22年に追加で1億5,000万回分の供給を受ける権利を持つ。

EUはモデルナのほか、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチン、英アストラゼネカがオックスフォード大学と共同開発したワクチンを承認済み。昨年末に接種が開始された。しかし、供給の遅れで接種が予定通り進んでおらず、夏までに域内の成人の70%以上がワクチン接種を終えるという目標の達成が危ぶまれている。

このため、ワクチンの追加調達を進めており、同日にはファイザー連合がすでに契約した3億回分に加え、年内に追加で2億回分を供給することでEUと合意したと発表した。EUはさらに1億回分を発注する権利を持つ。追加分のうち7,500万回分は4~6月期中に供給されるという。

EUは承認済みのワクチンのほか、仏サノフィと英グラクソ・スミスクライン(GSK)の連合、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)傘下のヤンセンファーマ、独キュアバックが開発中のワクチンについても調達契約を結んでいる。これらを合わせると、26億回分のワクチンを確保したことになるという。

うちヤンセンファーマのワクチンは、2回の接種が必要な承認済みワクチンと異なり、1回の接種で済むタイプ。16日にEUの欧州医薬品庁(EMA)に承認を申請した。EMAは3月中旬までに承認の可否を欧州委に勧告する予定だ。

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