伊石油大手エニ、50年までにカーボンニュートラル実現

伊石油大手エニは19日に発表した2021~24年の事業戦略で、事業活動での温室効果ガス排出量を実質ゼロとするカーボンニュートラルを50年までに達成するという目標を打ち出した。現在は収益の大半を石油・ガスに依存しているが、世界の石油業界で脱化石燃料の流れが加速し、温効ガス排出削減を求める株主の圧力が高まっていることから、脱炭素に向けた明確な目標を設定した。

同社の計画では、温効ガスの総排出量を30年までに18年比で25%、40年までに同65%削減。50年までにすべての製品、生産工程でカーボンニュートラルを実現する。バイオマスを原料として燃料などを製造バイオリファイナリーでの増産、再生可能エネルギー事業の拡大、二酸化炭素(CO2)回収・貯留、植林などのプロジェクトを推進することで目標達成を目指す。

石油生産は24年まで年4%のペースで拡大するが、25年以降は増やさず、クリーンエネルギーである天然ガス、再生可能エネルギーへのシフトを進める。

エニは目標達成に向けて組織を再編し、再生可能エネルギー部門とエネルギー小売り部門を統合する。顧客基盤の統合によるシナジー効果で生じる収益を再生可能エネルギーによる発電能力の増強に充てる狙いがある。また、21~24年の4年間で年70億ユーロに上る設備投資の20%以上を脱酸素関連プロジェクト、統合で誕生する新部門に投入する。非中核資産の売却で24年までに20億ユーロ以上を確保し、関連投資に回すことも計画している。

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