2014/9/29

EUその他

英の原発新設事業、欧州委が承認へ

この記事の要約

欧州委員会は22日、英イングランド南西部のヒンクリー・ポイントに原子力発電所を建設する事業を承認する意向を表明した。競争総局のコロンバーニ報道官が明らかにしたもので、10月に正式承認する見通しだ。 英政府は2013年10 […]

欧州委員会は22日、英イングランド南西部のヒンクリー・ポイントに原子力発電所を建設する事業を承認する意向を表明した。競争総局のコロンバーニ報道官が明らかにしたもので、10月に正式承認する見通しだ。

英政府は2013年10月、仏電力最大手のフランス電力公社(EDF)と同原発の建設で合意した。EDFは仏原子力会社アレバ、中国の広核集団(CGN)、中国核工業集団(CNNC)と組んで、総額160億ポンド(約189億ユーロ)を投じ、ヒンクリー・ポイントにアレバが開発した欧州加圧水型原子炉(EPR)2基を設置する。英国での原発新設は1995年以来約20年ぶり。福島第1原発の事故後に欧州で建設される初の原発となる。

英国では既存の原発を含む多くの発電所で耐用期限が迫っており、新たな電力供給源の確保が急務。このため政府は同プロジェクトを後押ししており、同原発に35年間にわたって電力固定価格買い取り制度(FIT)を適用し、取り決めた価格が電力卸売市場の価格を下回った場合に政府が差額を補填する方針を打ち出している。これがEUの公的支援ルールに抵触する疑いがあるとして、欧州委は調査を行っていた。

当初の固定買い取り価格は1メガワット時当たり92.5ポンド。現在の英国の電力卸売価格の2倍に相当する。欧州委は事実上の補助金に当たる公的支援が総額176億ポンドに上ると見積もっている。

欧州委は同支援の妥当性を疑問視していたが、英政府が提示した支援計画の修正案をアルムニア副委員長(競争政策担当)が受け入れ、承認する方針を固めた。修正内容は不明だが、コロンバーニ報道官によると、同副委員長は他の欧州委員に計画承認を勧告し、現欧州委の任期が切れる10月末までに正式承認する予定という。

EUで民間の原発事業にこのような形で公的支援が行われるのは初めて。欧州委は13年末に失効したEUの公的支援ルールの見直しに際して、当初は原発への公的支援を例外扱いとし、補助金などの交付に際して欧州委の承認を不要とする方針だったが、脱原発を進めるドイツやオーストリアの反発により方針を転換し、妥当性を厳しく審査する方針を打ち出しており、今回のケースがどのように扱われるか大きな注目を集めていた。

同原発の出力は1,650メガワットで、英国の電力需要の約7%を賄う能力を持つ。2023年の稼働を予定している。プロジェクトの出資比率はEDFが45~50%、アレバが10%、中国の広核集団(CGN)と中国核工業集団(CNNC)が合わせて30~40%。

一方、脱原発派のオーストリア政府は欧州委による英の原発新設承認に反発しており、ループレヒター環境相は24日、国内メディアに対して、正式に承認された場合は欧州司法裁判所に提訴する意向を表明した。