ギリシャ大手銀、108億ユーロの不良債権を米ファンドに売却

ギリシャ大手銀行のアルファバンクは2月22日、同行の不良債権のうち108億ユーロ相当を米ヘッジファンドのデービッドソン・ケンプナーに証券化して売却すると発表した。ギリシャ政府が10年以上前に起きた債務危機の影響が尾を引く国内銀行に対して、不良債権処理を促していることを受けたもので、同取引によって不良債権比率は29%から13%に縮小する。

アルファバンクは不良債権のほか、融資サービス子会社セパル・ホールディングスの株式80%もデービッドソン・ケンプナーに売却する。2021年4~6月期の売却手続き完了を見込む。

ギリシャの銀行は政府の方針に沿って不良債権処理に取り組んでおり、15年以降に350億ユーロを処理した。金融システム全体の不良債権の約3分の1に上る規模だ。アルファバンクは出遅れていたが、コロナ禍による景気悪化で不良債権が膨らむのが避けられない中、米ファンドとの取引に踏み切った。今後も処理を進め、2年後に不良債権比率を欧州平均の5~6%まで縮小させることを目指す。

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