住友化学、露石化大手とポリエチレン製造のライセンス契約

住友化学は2月22日、ロシアの石油化学大手カザンオルグシンテツ(KOS)と高圧法ポリエチレン製造技術のライセンス契約を結んだと発表した。KOSがポリエチレン生産増強プロジェクトの設備の刷新で、住友化学の技術を用いる。

住友化学の高圧法ポリエチレン製造技術は、高圧蒸気で滅菌するオートクレーブ型の製造プロセス。ひとつの製造設備で低密度ポリエチレン(LDPE)とエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)の切り替え生産が可能で、EVAについては添加する酢酸ビニルの量を調整することで幅広い製品グレードに対応できる。また、原料となるモノマーから目的物を生成する際の反応効率が高く省エネであるほか、製造設備の運転安定性にも優れる。

KOSはロシア最大級のポリエチレンメーカーで、タタルスタン共和国のカザンに本社工場を構える。同工場では現在、生産能力の強化と製品の多様化を目的に既存設備と最新設備の入れ替えを進めており、住友化学の技術が高い評価を受けたことから今回の採用につながった。

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