欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/9/29

EUその他

仏がたばこ規制強化、包装を画一化へ

この記事の要約

フランス政府は25日、喫煙率を削減するため、たばこ規制を強化すると発表した。未成年者の喫煙を防止するのが主な狙いで、たばこの箱の包装を地味で画一的な「プレインパッケージ」とすることなどが含まれている。 たばこのプレインパ […]

フランス政府は25日、喫煙率を削減するため、たばこ規制を強化すると発表した。未成年者の喫煙を防止するのが主な狙いで、たばこの箱の包装を地味で画一的な「プレインパッケージ」とすることなどが含まれている。

たばこのプレインパッケージは、たばこの有害性を警告する表示を除いて、地味で目立たない外観とするもの。2012年に世界で初めて豪州で導入された。仏保健省の発表によると、国内で販売されるたばこの箱のサイズ、形、デザイン、色、印字を統一し、宣伝的な要素や装飾性を排除する。銘柄の表示は認められるが、決められた部分の非常な小さなスペースに統一した大きさで表示するため、ぱっと見ただけでは区別がつかない。

このほか保健省は、◇学校、公共交通機関など子供が集まる場所での電子たばこの使用禁止◇電子たばこの広告禁止◇子供が集まる場所や、12歳以下の子供がいる車内での喫煙禁止――も決めた。いずれも未成年者がたばこを目にする機会を減らし、喫煙に走るのを防ぐ意図がある。電子たばこの広告は2016年5月から禁止となる。

フランスの喫煙率は現在28%。喫煙に起因する病気による死者は年間約7万3,000人に上る。とくに未成年者の喫煙率は欧州でも屈指の高水準にある。

EUでは、たばこのパッケージの両面とも65%のスペースを有害性の警告表示に割くことを義務付けるルールを導入するなど、喫煙防止に向けた厳しい規制が実施されているが、フランスは独自でさらに厳格なルールを設け、世界有数のたばこ規制国となる。保健省は新規制によって喫煙率を10年後に20%未満まで抑え込みたいとしている。