欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/9/29

EUその他

グーグル調査は新体制に持ち越し、追加の改善策を要求=欧州委

この記事の要約

欧州委員会のアルムニア委員(競争政策担当)は23日、インターネット検索サービス大手の米グーグルが検索結果を自社に有利になるよう操作しているとの疑いで調査を進めている問題で、同社から新たな改善策が提示されない場合、異議告知 […]

欧州委員会のアルムニア委員(競争政策担当)は23日、インターネット検索サービス大手の米グーグルが検索結果を自社に有利になるよう操作しているとの疑いで調査を進めている問題で、同社から新たな改善策が提示されない場合、異議告知書を送付することになると警告した。約4年に及んだ同事案は当初、アルムニア委員の任期が終了する来月末までに決着するとみられていたが、11月に発足する新体制に引き継がれることが決定的になった。

欧州委はグーグルが欧州の検索市場における独占的地位を乱用し、ネット検索機能で自社関連のサービスをライバル社よりも優先的に表示していると主張する競合他社からの訴えを受け、2010年11月に調査を開始。12年3月にグーグルが競争法に違反しているとの初期判断を示した。グーグルは巨額の制裁金を回避するため、昨年末までに3回にわたり欧州委に改善策を提示。新たに検索結果で競合企業のロゴやリンク先のサイトを目立たせるなどの是正策を打ち出した。欧州委は今年2月、グーグルの提案を受け入れて同社に対する調査を打ち切る方針を固め、利害関係者から意見を聞いていた。

アルムニア委員は23日開かれた欧州議会の公聴会で、グーグルが提示した是正策に対してマイクロソフトをはじめとするライバル社から20件以上の苦情が寄せられたため、今月初めにさらなる改善策を検討するようグーグルに要請し、現在は回答を待っている段階だと説明。グーグルからの回答が「正しい方向のもの」であれば引き続き和解に向けた手続きを進めるが、「そうでない場合は次の段階として、異議告知書の送付準備に入ることになる」と述べた。

さらに同委員は競争法違反で総額20億ユーロ超に上る制裁金を科したマイクロソフトのケースに触れ、欧州委による調査期間は同社の16年に対してグーグルは今のところ4分の1程度にとどまるものの、「問題点はグーグルの方が多い」と指摘。マイクロソフトと同様、今後10年以上にわたりグーグルとの攻防が続くとの見通しを示し、新たに携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」について調査を開始する可能性を示唆した。