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2014/9/29

西欧

三菱商事、サケ養殖世界3位のノルウェー企業買収へ

この記事の要約

三菱商事は22日、ノルウェーのサケ養殖・加工大手セルマックを株式公開買い付け(TOB)によって買収すると発表した。セルマックは同分野で世界3位。全株式を取得した場合の買収総額は88億8,000万ノルウェー・クローネ(約1 […]

三菱商事は22日、ノルウェーのサケ養殖・加工大手セルマックを株式公開買い付け(TOB)によって買収すると発表した。セルマックは同分野で世界3位。全株式を取得した場合の買収総額は88億8,000万ノルウェー・クローネ(約1,523億円)に上る。

セルマックはノルウェー、チリ、カナダで養殖サケを生産している。年間生産量は世界3位の約17万トン。2013年の売上高は51億5,531万クローネだった。

資源事業を縮小し、食品部門の拡充を進めている三菱商事は、新興国を中心に世界的に需要が増大しているサケ養殖事業を強化するため、セルマックの買収を決めた。TOBが成功すると、同分野でノルウェーのマリン・ハーベストに次ぐ世界2位に浮上する。セルマック経営陣は同日、買収受け入れを表明し、株主にTOBに応じるよう勧告すると発表した。

株式の買い付け価格は1株当たり96クローネ。前営業日の終値に14.3%、過去3カ月間の平均株価に18%を上乗せした水準となる。TOBの実施期間は9月22日~10月20日。

セルマックは政府系企業で、貿易・産業・漁業省が株式59.17%を保有している。同省は22日発表した声明で、TOBに応じる意向を示しながらも、他社から三菱商事を上回る買収提案があった場合は、その限りではないとしている。