仏が3度目のロックダウン実施、パリなど16地域対象に

フランス政府は18日、パリなど16地域で20日からロックダウン(都市封鎖)を実施すると発表した。変異した新型コロナウイルスによる感染が急増していることを受けたもの。同措置の実施は2020年春、秋に続く3回目となる。

対象となるのはパリなど北部を中心とする地域で、期間は少なくとも4週間。全人口の3割に相当する約2,000万人が影響を受ける。

全土では夜間の外出が禁止されているが、同地域では外出を24時間禁止する。地域間の移動は原則禁止となる。すでに実施している飲食店、映画館など生活に不可欠ではない店舗、施設の閉鎖も継続する。

このところフランスでは全土の新型コロナ新規感染者が第2波のピーク時を上回っており、18日は3万5,000人に達した。感染力が高い変異ウイルスによる感染拡大が深刻化しているためで、新規感染の7割以上を変異株が占める。とくにパリでは10万人当たりの感染者が446人と、1週間で23%も増加し、医療体制がひっ迫している。政府は3度目のロックダウンに慎重な姿勢を堅持してきたが、第3波に見舞われているとして、実施に踏み切った。

ただ、全土での実施は避け、対象地域を絞り込んだ。また、学校は閉鎖せず、自宅から半径10キロメートル以内の屋外での運動、散歩を時間制限なしで認め、書店が閉鎖の対象から除外されるなど、これまでのロックダウンより緩やかだ。さらに、全土を対象とする夜間外出禁止についても、開始時間を午後6時から7時に延ばす。

上部へスクロール