独製薬・化学大手のメルクは22日、試薬大手の米シグマ・アルドリッチを買収することで合意したと発表した。ライフサイエンス産業向け事業の強化が狙い。2015年半ばの買収手続き完了を見込む。
シグマ・アルドリッチを1株当たり140ドルで買収する。これは前営業日である19日の終値を36%上回る水準。買収総額はメルクにとって過去最大の170億ドルで、同社は手元資金と銀行融資、社債で賄う。
シグマ・アルドリッチは従業員数が9,000人強で、昨年は27億ドルを売り上げた。同社の買収により、メルクのライフサイエンス事業売上高(2013年ベース)は79%増の61億ドル(47億ユーロ)に拡大する。
両社は製品の補完性が高く、メルクはシナジー効果が買収後3年以内に年2億6,000万ユーロに達すると予想している。
メルクは2010年、ライフサイエンス産業向け事業の強化に向けて米ミリポアを72億ドルで買収した。今年5月にも集積回路(IC)用化学品や感光性材料を手がける英AZエレクトロニック・マテリアルズの株式公開買い付け(TOB)に成功(買収総額:約19億ユーロ)。リスクの高い製薬事業への依存度を引き下げている。