ドイツ政府は26日の閣議でコロナウイルス入国政令を改正した。航空機で入国するすべての人に搭乗前に陰性証明を提示することを義務付ける。これまではコロナの感染者数が多い地域と変異株が流行する地域からの入国者に限定してきたが、これらの地域に指定されていない観光地で休暇を過ごすドイツ人が急速に増えていることから、帰国者からの感染拡大を防ぐため、搭乗前検査の適用対象をあらゆる地域からの入国者に拡大する。新ルールの実施期間は30日から差し当たり5月12日まで。
ドイツ政府は14日、マヨルカ島などの観光地を抱えるスペインのバレアレス諸島に対するコロナ「危険地域」指定を解除した。同地の新型コロナウイルス新規感染者数が危険地域の目安となる水準を大幅に下回ったためだ。これを受け、ドイツから多くの観光客が殺到している。
バレアレス諸島は現時点で感染者数が少ないものの、世界の多くの国から観光客が押し寄せると、感染の温床となり、ドイツの観光客がウイルスを持ち帰る恐れがある。ドイツ政府はそうした事態を防ぐため、政令を急きょ改正した。
ドイツに入国するためには48時間以内に発行された陰性証明を搭乗時に提示しなければならない。陰性証明を現地の機関で取得できない場合は航空会社が搭乗前に検査を行うことになる。航空会社は陰性証明のない乗客を搭乗させることができない。検査費用は本人が負担する。