英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)は3月29日、米バイオ医薬ベンチャーのノババックスが開発した新型コロナウイルス用ワクチンを英国内で受託生産すると発表した。イングランド北東部ダラム州の工場で、最終工程となる無菌充填・包装を請け負う。
同契約は国内向けワクチンの確保を強化したい英政府の意向に沿ったもの。GSK は5月初めをめどに生産を開始する。最大6,000万回分を生産し、英国内に供給する予定だ。
ノババックスのワクチンは、これまでの臨床試験(治験)で96%の有効性が確認され、英国型の変異ウイルスに対しても86%の効果があるとされる。EU、英政府とワクチン供給で合意しているが、現時点でどちらからも承認はされていない。英フィナンシャル・タイムズ紙によると、6,000万回分を供給する予定の英国では、数カ月後に承認を申請する見込みという。
GSKは仏サノフィと共同で新型コロナワクチンの開発に取り組んでいる。しかし、治験で高齢者の免疫反応が弱かったため、実用化が2021年第4四半期にずれ込むとの見通しを12月に示していた。開発が遅れる中、先行するノババックスの生産を支援する。