フォードの商用EV、ロシアで大量生産へ

米自動車大手フォードはこのほど、ロシアで商用電気自動車(EV)の大量生産に乗り出す方針を明らかにした。現地同業ソレルスとの合弁会社フォード・ソレルスを通じ、タタルスタン共和国にある工場で生産を行う。生産開始は2022年。これによって同工場はEVを本格生産するロシア初の工場となる。

同共和国エラブガ近郊のアラブガ特別経済地区にある工場で、商用バン「フォード・トランジット」のEVモデルを生産する。ソレルスは2025年までにロシアの商用車市場に占めるEVの比率が4%程度まで上昇すると予想しており、主要都市におけるEV導入を後押しするインフラ整備への支援を政府に働きかけている。支援の対象には、EV専用レーンの導入、道路通行料の免除、都心部への乗り入れ制限の緩和などがある。

ロシアではネット通販が急成長しており、物流関連やインフラ整備への投資も増えている。このためソラリスは、今後EV商用車の需要が大きく伸びると予想する。同社によると、EVはディーゼル車に比べ40%経済性に優れているほか、20%安価になるとしている。

一方ソラリスは、今後5年間でのEVの普及はモスクワ、サンクトペテルブルク、カザンなどの大都市に限られるとの見通しを示している。

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