独バイオ医薬品、アストラゼネカのワクチン生産を前倒し

バイオ医薬品製造の独IDTビオロギカは16日、英製薬大手アストラゼネカから請け負った新型コロナウイルス用ワクチンの生産を同日付で開始したと発表した。当初は2023年初頭から生産する計画だったが、独メルツ社の製品に割り当てていた生産能力を使えるようになったことから、アストラゼネカのワクチン製造に転用することにした。

同ワクチンを独東部のデッサウにある工場で生産する。今後3カ月で少なくとも1,000万回分を瓶詰する予定だ。IDTのユルゲン・ベッチング社長は、生産するワクチンは必ずしもドイツ国内で使われるわけではないと述べた。

同社は3月、武田薬品工業から請け負っているデング熱ワクチン生産の施設を米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発した新型コロナワクチンの製造に転用することも明らかにした。武田薬品は新型コロナワクチンを世界中に供給することを優先し、生産能力を譲った格好。IDTはJ&Jのワクチンの生産と出荷をすでに開始している。

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