欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/10/6

総合 – 欧州経済ニュース

EUが対ロシア制裁を継続、停戦合意の履行不十分で

この記事の要約

EU加盟国は9月30日の大使級会合で、ロシアに対する経済制裁を当面継続することを決めた。ウクライナ和平の進展状況を検討した結果、同国政府と親ロシア派武装勢力の停戦合意の履行は不十分であり、親ロシア派を支援するロシアへの制 […]

EU加盟国は9月30日の大使級会合で、ロシアに対する経済制裁を当面継続することを決めた。ウクライナ和平の進展状況を検討した結果、同国政府と親ロシア派武装勢力の停戦合意の履行は不十分であり、親ロシア派を支援するロシアへの制裁を解除する状況ではないと判断した。

アシュトン外務・安全保障政策上級代表のコチャンチッチ報道官は停戦合意の一部について「勇気づけられる進展があった」と評価したものの、「合意の主要部分は適切に履行される必要がある」と指摘。今後も事態の進展を見守ったうえで、状況次第では制裁内容の変更や中止、一部あるいは完全解除を提案する可能性があると述べた。

ウクライナ東部を巡って、同国政府軍と親ロシア派は先月5日に停戦に合意したが、中心都市ドネツクや工業都市マリウポリの郊外では、現在も散発的に戦闘が続いている。両者は衝突を避けるために幅30キロ以上の緩衝地帯を設けることでも合意しているが、兵士や戦闘員を本格的に撤収させる動きは見られず、停戦合意は徹底されていない。