欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2021/5/17

EU情報

独のEV充電スタンド、カード決済サービスが義務化

この記事の要約

ドイツ政府は12日、電気自動車(EV)用充電スタンド政令案を閣議決定した。カード決済サービスの提供を充電事業者に義務付けることが最大の柱。EUの欧州委員会と他の加盟国が3カ月以内に異議を唱えなければ、案は州政府の代表で構 […]

ドイツ政府は12日、電気自動車(EV)用充電スタンド政令案を閣議決定した。カード決済サービスの提供を充電事業者に義務付けることが最大の柱。EUの欧州委員会と他の加盟国が3カ月以内に異議を唱えなければ、案は州政府の代表で構成される連邦参議院で審議・採決される。

EVを充電スタンドで充電した際の決済は現在、ほとんどスマートフォンのアプリで行われている。アプリがなければ利用できないスタンドが多く、政府はこれがEV普及の障害になっていると判断。少なくともデビットカードかクレジットカードのどちらかで支払いができるようにすることを充電サービス事業者に義務付けることにした。2023年7月1日以降に設置される充電スタンドでは、カード決済が例外なく利用できるようになる。

これに対しては経済界から批判が出ている。カードリーダーを充電スタンドに組み込むとコストが膨らむことから、充電ステーション網拡充のスピードが鈍るという主張だ。独自動車工業会(VDA)は、充電料金の大半は現在すでに契約ベースないしデジタル決済システムを通して行われていると指摘。カード決済はほとんどなく、今後も増える可能性は低いとしている。