EU統計局ユーロスタットが19日に発表した4月の消費者物価統計によると、ユーロ圏のインフレ率(確定値)は速報値と同じ前年同月比1.6%だった。インフレ率がプラスとなるのは4カ月連続。上げ幅は前月の1.3ポイントを0.3ポイント上回った。(表参照)
分野別ではエネルギーが10.4%上昇し、上げ幅が前月の4.3%から急拡大した。工業製品は0.4%、サービスは0.9%の上昇だった。
ユーロ圏のインフレ率はコロナ禍による個人消費停滞などの影響で、20年12月まで5カ月連続でマイナスだった。ここにきて急速に持ち直しているのは、低迷していた原油価格の上昇、ドイツで付加価値税(VAT)減税が12月に終了したことが主因。物価の基調は依然として弱く、ECBが金融政策で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は0.7%で、前月の0.9%から縮小した。
EU27カ国ベースのインフレ率は、前月を0.3ポイント上回る2.0%。主要国はドイツが2.1%、スペインが2.0%、フランスが1.6%、イタリアが1.0%となっている。マイナスとなったのはギリシャ、ポルトガルだけだった。