ダイムラー・トラック、新車を30年までにEVかFCVに

独自動車大手ダイムラーの商用車子会社ダイムラー・トラックは20日、温室効果ガス排出ゼロに向けた戦略を発表した。2025年までに研究開発資金の大半を電気自動車(EV)、水素燃料電池車(FCV)に開発に投じ、30年までに新車トラックの販売の6割をEVまたはFCVとすることを目指す。

同目標を達成するため、中国電池大手の寧徳時代新能源科技(CATL)との提携を拡大し、2024年から量産するEVトラック用のリチウムイオン電池を同社から調達するほか、次世代電池を共同開発する。メルセデスベンツの大型車「eアクトロス」、フライトライナーの大型車「eカスカディア」、同中型車「eM2」などに搭載する。各モデルの量産開始時期はeアクトロスが今年下半期、eカスカディアが来年半ば、eM2が来年末となっている。

ダイムラー・トラックは25年から大型の水素燃料電池トラックの量産を始める。これに伴い、英・オランダ系エネルギー大手ロイヤル・ダッチ・シェルと欧州でのFCVトラック普及に向けて提携。シェルが燃料の水素を補給するためのインフラを整備し、オランダのロッテルダムとドイツのケルン、ハンブルクを結ぶ地域に電気分解で製造したグリーン水素の燃料スタンド網を構築する。30年までにダイムラーがFCVトラック供給を約5,000台に拡大し、シェルは水素スタンドを150カ所に設置する計画だ。

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