トルコ中央銀行は23日の金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レポ金利を1ポイント引き下げ、18%に設定した。利下げは昨年5月以来、16カ月ぶり。市場は据え置きを予想していた。インフレが高進しているものの、景気対策を優先するため予想外の利下げに踏み切った。
同国のインフレ率は8月に19.3%となり、上げ幅は前月から0.3ポイント拡大した。昨年9月(11.8%)からの上げ幅は計7.5ポイントに達している。通貨リラ安を受けた輸入品価格の上昇や、食糧価格の高騰、需要の急速な伸びに対する供給不足などが大きいが、中銀はこれらを「一時的な要因」とし、需給摩擦の解消や、異常気象に見舞われた農産物輸出国の正常化が進むにつれてインフレ率の上昇は鈍化するとの見方を示した。
中銀は昨年9月に実施した2年ぶりの利上げで政策金利を8.25%から2ポイント引き上げたのを皮切りに、今年3月にかけて19%まで引き上げ、その後5会合連続で据え置いていた。中銀は声明で、これまでの金融引き締めにより金融機関に貸し渋りの動きがみられると指摘。供給サイドの制限の緩和が必要だとし、利下げを決めたと説明した。
今後については、インフレ率を5%程度とする中期目標の達成に向けて「利用可能なすべての措置をとる」とコメントした。一方、ディスインフレ効果を維持するためにインフレを上回る水準で政策金利を維持するとしていたこれまでの方針は示さなかった。