英製薬大手アストラゼネカは11日、新型コロナウイルス感染症向け治療薬「抗体カクテル療法」について、後期臨床試験(治験)で入院前の患者の重症化や死亡リスクを50%減らすことが確認されたと発表した。同社幹部は「早い段階で投与することで重症化が大幅に抑制される。効果は6カ月以上続く」と説明している。
アストラゼネカの抗体カクテル療法は新型コロナウイルスに作用する2つの抗体を混ぜ合わせて作った薬を感染者に投与し、ウイルスが増殖するのを阻害する仕組み。症状が出てから7日以内の患者に抗体医薬「AZD7442」を投与したところ、重症化や死亡リスクが50%抑制され、治験の主要目標を達成することができた。
アストラゼネカは8月、第3相試験で重症化リスクがある患者の症状の進行を77%抑えることができたと発表していた。今月2日には米食品医薬品局(FDA)にAZD7442の緊急使用許可を申請している。