独バイオ医薬品企業キュアバックは12日、EUの欧州医薬品庁(EMA)に提出していた新型コロナウイルス用ワクチン「CVnCoV」の承認申請を撤回したと発表した。治験結果が思わしくなく、当局の承認を得て販売しても大きな需要が見込めないと判断した。今後は第2世代の新型コロナワクチン開発に注力する。
キュアバックは2020年にメッセンジャーRNA(mRNA)ベースの新型コロナワクチンの開発に着手。今年6月に治験最終報告を発表した。有効率は48%で、すでに接種が行われている他社の製品を大幅に下回っている。
同社によると、EMAの認可を得られるのは早くても22年4~6月期となる見通し。その頃には第2世代ワクチンの臨床試験が進展した段階に達していると見込まれることから、CVnCoVの申請手続きを継続する意義は低いと判断した。
同社は現在、新型コロナの第2世代ワクチン「CV2CoV」を英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)と共同開発している。来年中に当局の承認を得ることを目指す。