欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2021/11/1

EU情報

ユーロ圏GDP、7~9月期は2.2%増

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが10月29日に発表した2021年7~9月期のユーロ圏の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比2.2%増だった。プラス成長となるのは2四半期連続。新型コロナウイルスワクチンの普及、経済・ […]

EU統計局ユーロスタットが10月29日に発表した2021年7~9月期のユーロ圏の域内総生産(GDP、速報値)は実質ベースで前期比2.2%増だった。プラス成長となるのは2四半期連続。新型コロナウイルスワクチンの普及、経済・社会活動の制限緩和で経済の正常化が進み、景気回復が続いている。(表参照)

成長率は前期の2.1%を上回った。前年同期比では3.7%増で、上げ幅は前期の14.2%から大きく縮小した。EU27カ国ベースのGDPは前期比2.1%増、前年同期比3.9%増。前期はそれぞれ2.0%、13.7%増だった。

今回の速報値はEU11カ国(うちユーロ圏は9カ国)の統計に基づいて算出された。前期比では、横ばいだったリトアニアを除いてプラス成長を記録。主要国の上げ幅はフランスが前期比3.0%、スペインが2.0%となり、それぞれ前期の1.3%、1.1%から大きく拡大した。フランスは個人消費、輸出の復調が景気を押し上げた。

一方、ドイツは1.8%増加したが、上げ幅はサプライチェーン混乱の影響で前期から0.1ポイント縮小した。イタリアは2.6%増と好調を維持したが、こちらも上げ幅は前期を0.1ポイント下回った。

ユーロ圏の成長率は予想を上回る水準。ただ、サプライチェーン混乱の影響が深刻化すれば、今後は失速の恐れがある。持ち直してきた個人消費が、インフレ率の急上昇によって圧迫されることも懸念材料だ。