ユーロ圏の物価上昇加速、10月のインフレ率は4.1%

EU統計局ユーロスタットが10月29日に発表したユーロ圏の同月のインフレ率(速報値)は前年同月比4.1%となり、前月の3.4%から0.7ポイント拡大した。これは2008年7月以来の高水準。エネルギー価格の上昇が物価を大きく押し上げる状況が続いている。(表参照)

インフレ率が前月を上回るのは4カ月連続。欧州中央銀行(ECB)が目標とする2.0%を大きく超えている。分野別の上げ幅はエネルギーが23.5%、工業製品が2.0%、サービスが2.1%。エネルギーは原油、天然ガス価格がコロナ禍の影響で20年に低迷した反動で高騰しており、上げ幅は前月の17.6%から急拡大した。

サプライチェーンの混乱による半導体など生産資材の値上がりも物価に響きつつある。ECBが金融政策で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は2.1%で、前月の1.9%を上回った。

主要国のインフレ率は、ドイツが4.6%、フランスが3.2%、イタリアが3.1%、スペインが5.5%。いずれも前月から拡大した。とくにスペインが1.5ポイント上昇し、インフレが加速している。

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