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2014/10/20

総合 – 欧州経済ニュース

カタルーニャ独立問題、非公式投票で民意問う=州首相

この記事の要約

スペイン・カタルーニャ自治州のマス首相は14日、来月9日の実施を目指していたスペインからの分離・独立を問う住民投票を見送ると発表した。先月、憲法裁判所が住民投票の一時差し止めを命じる決定を下したことを受けた措置で、法的な […]

スペイン・カタルーニャ自治州のマス首相は14日、来月9日の実施を目指していたスペインからの分離・独立を問う住民投票を見送ると発表した。先月、憲法裁判所が住民投票の一時差し止めを命じる決定を下したことを受けた措置で、法的な拘束力のない非公式な投票を同じ日に行う。

マス首相は会見で、住民投票を完全に断念したわけではないと強調し、9日の投票は後に実施する正式な投票に向けた「予備的な」性格を持つと説明した。投票は16歳以上のカタルーニャ住民を対象としたものになり、ボランティアによって管理・運営され、正式な選挙人名簿は用いられない予定だという。

ただ、自治州の独立反対派の議員からは、象徴的な意味しか持たない投票を実施することの意義を疑問視する声があがっている。国民党のサンチェス=カマチョ議員は、「投票は単なる世論調査にすぎない」と批判。市民党のリベラ党首は、マス首相は退陣するか、早期の地方選挙を告示すべきだと述べた。

カタルーニャの住民投票をめぐっては、自治州議会が9月19日、住民投票の実施に必要な法案を圧倒的多数で可決。マス州首相は同27日、11月9日の投票を実施すると正式に表明した。これに対し中央政府は、住民投票は国家主権の侵害であり違憲だとして憲法裁に提訴。憲法裁は訴えを審理し、判決が出るまでの間、投票を差し止めることを命じた。自治州側はこれを受け、住民投票の準備手続きを停止していた。

一方、スペイン政府のラホイ首相は、憲法裁の判断を尊重した州政府の決定を「素晴らしいニュースだ」と歓迎。自治州との対話に前向きな姿勢を示した。