仏海運大手のCMA-CGMは9日、IT関連商品の卸売を主力とする米イングラム・マイクロの電子商取引(EC)物流部門であるコマース・アンド・ライフサイクル・サービシズ(CLS)の事業の大半を買収することで合意したと発表した。取引額は30億ドル。2022年上期の買収手続き完了を見込む。
取得するのはCLSが米国、欧州で展開する事業など。世界の59カ所にある倉庫や、中小企業向けEC物流のプラットフォーム「シップワイヤー」も含まれる。対象事業の年間売上高は約17億ドルに上る。
CMA-CGMは電子商取引の普及に伴い急成長しているEC物流事業を強化するため、今回の買収を決めた。傘下の国際物流大手シーバ・ロジスティクスは、荷主の企業が第三者(サードパーティ)に物流業務を委託する契約物流で世界4位に浮上する。
同社は海運運賃の高騰で拡大した収益を活用して買収を進めており、11月には米ロサンゼルス港のコンテナターミナルを運営するフェニックス・マリン・サービシズ(FMS)を23億ドルで買収することで合意していた。