欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2021/12/20

EU情報

ウクライナ侵攻なら「深刻な代償」、露に制裁警告=EU首脳会議

この記事の要約

EUは16日開いた首脳会議で、ロシアがウクライナ国境付近で軍備を増強している問題への対応を協議し、軍事侵攻があった場合、米国などと連携してロシアに制裁を科す方針で一致した。一方で、対話による解決を模索する方針も確認。ロシ […]

EUは16日開いた首脳会議で、ロシアがウクライナ国境付近で軍備を増強している問題への対応を協議し、軍事侵攻があった場合、米国などと連携してロシアに制裁を科す方針で一致した。一方で、対話による解決を模索する方針も確認。ロシアとウクライナにドイツ、フランスを加えた4カ国による協議を支持した。

ウクライナ南部や東部の国境付近には約10万人のロシア兵が集結しているとされ、ウクライナに侵攻するのではないかとの懸念が広がっている。

首脳会議はウクライナへの全面的な支援を再確認し、共同声明で同国の「主権と領土保全への完全な支持」を表明。ロシアに対しては迅速に緊張を緩和するよう強く求め、「ウクライナへの軍事侵攻は重大な結果と深刻な代償を伴う」と警告した。

今回、制裁の具体的な内容は協議されなかったが、ロイター通信が外交筋の話として報じたところによると、ロシアの金融機関との取引禁止や、世界の主要金融機関が加盟する国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアの銀行を排除することなどが含まれる可能性がある。

一方、共同声明はロシアとウクライナを独仏が仲介する「ノルマンディー方式」と呼ばれる協議の枠組みを支持。同方式による協議に難色を示すロシアに対話を呼びかけ、「外交的解決に向けた取り組みを促す」と表明した。