ポルトガルのエネルギー大手ガルプとリチウムイオン電池の製造を手がけるスウェーデンの新興企業ノースボルトは14日、リチウム鉱石を加工し、電気自動車(EV)用電池に使われる水酸化リチウムを生産する合弁会社を設立すると発表した。折半出資の合弁会社「オーロラ」は7億ユーロを投じ、ポルトガルに欧州最大級のリチウム加工工場を開設する。
同工場は国内で採掘されるリチウム鉱石を使って水酸化リチウムを生産する。年産能力は3万5,000トン。約70万台のEVに搭載される電池に供給できる規模だ。建設地は未定。2026年の稼働を予定している。
欧州ではEVの普及に伴い、車載電池の原料となるリチウムの需要が急増しているが、ほとんどを域外からの輸入に頼っている。ノースボルトはポルトガルに西欧最大のリチウム鉱床があることから、ガルプと組んで同国に加工工場を設置し、自給体制を確立したい考えだ。
ノースボルトは2016年に創業した企業。VWや独BMWなどが出資している。スウェーデン北部シェレフテオに設置した1番目の工場が年内に稼働する予定となっている。さらに、30年までに欧州の少なくとも2カ所に工場を建設する計画だ。