ルーマニアのITセキュリティソフト開発大手ビットディフェンダーが米国での新規株式公開(IPO)を計画している。地元経済紙フィナンチアールデイリーがこのほど消息筋の情報として伝えた。20億ドルの調達を目指している。実現すれば、国際展開するルーマニア企業ではロボットプロセス自動化(RPA)ソフト大手ユーアイパスに次ぐ大型上場となる。
ビットディフェンダーのコンピュータセキュリティ、ウイルス対策ソフトは世界170カ国以上で5億超のユーザーに利用されている。現在、本社を米国に移し、国外ではカナダ、オーストラリア、アラブ首長国連邦、欧州では英国、フランス、ドイツなど8カ国に事業拠点を構える。
2017年末に欧州プライベートエクイティ投資会社のヴィトルヴィアンパートナーズが同社の資本シェア30%を取得した際、企業価値を6億ドル超と試算した。テック上場企業で経営経験を積んだスタインズ社長のもと、ブカレスト証券取引所での上場を当初検討していたもようだが、11月に米国でのIPO手続きを開始した。