英政府は4日、新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染者が21万8,724人に達したと発表した。20万人を超えるのは初めて。感染力が高いオミクロン株への置き換わりが急速に進んでいる。それでも、ジョンソン首相は同日、規制を強化しない方針を改めて打ち出した。
1日当たりの新規感染者が同じく20万人を超えているフランスでは、3日からカフェやバーでの立ったままの飲食や、長距離列車や映画館内での飲食も禁止するなど規制を強化している。しかし、コロナ共生を掲げる英政府は、オミクロン株の感染拡大で新規感染者が連日、過去最高を更新する状況となっているにも関わらず、在宅勤務の推奨、公共交通機関でのマスク着用義務化など規制は緩い。レストランなど店舗は通常営業が認められている。
ジョンソン首相は記者会見で、ワクチンの追加接種促進や、マスク着用など基本的な感染防止対策を徹底することで「再び国を閉鎖しなくてもオミクロン株の波を乗り切るチャンスがある」と述べ、方針転換を否定した。
さらに、政府は5日、オミクロン対策として実施している水際対策を緩和すると発表した。市中感染が広がり、厳しい制限が無意味になったと判断したもので、ワクチン接種完了者は入国前のPCR検査または簡易検査が7日から不要となる。入国後の自己隔離を求める規制も撤廃する。