BNPパリバ、米リテール市場から撤退

仏大手銀行のBNPパリバは12月20日、米リテールバンキング子会社のバンク・オブ・ザ・ウエストをカナダ金融大手バンク・オブ・モントリオール(BMO)に163億ドルで売却すると発表した。米リテール市場では国内の大手銀行が圧倒的に強く、外銀にとって厳しい競争環境となっていることから、同市場から撤退する。

バンク・オブ・ザ・ウエストはカリフォルニア州を本拠とする銀行。BNPパリバが1979年に買収した。約500支店を展開している。BMOはカナダ4位の銀行で、米国の一部の州にも拠点がある。資産額ベースで北米8位の銀行だ。

同行はBNPパリバにとって欧州以外の地域で最大の事業部門だが、成長が見込めないことから売却に踏み切った。2022年末までの売却手続き完了を予定している。売却で得た資金は自社株などに充てる。

米のリテールバンキング市場はJPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴなど国内大手が優勢で、欧州勢は苦戦を強いられていることから撤退が相次いでおり、スペインのバンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)は20年に米国事業を同国の大手地銀PNCに116億ドルで売却すると発表。5月には英金融HSBCホールディングスが米国のリテール、小規模法人向け事業をシチズンズ・バンクなどに売却すると発表していた。

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