スイス金融大手のクレディ・スイスは17日、アントニオ・オルタオソリオ会長が辞任したと発表した。新型コロナウイルス感染防止に関する規則に違反したのが理由。不祥事が相次いだ同社の信用を回復するため昨年に就任したばかりだが、自身が問題を起こし、わずか8カ月で退任に追い込まれた。
オルタオソリオ氏をめぐっては、昨年7月に英ロンドンを訪れた際、同国の旅行者の隔離に関する規則に違反したほか、11月にはスイスの隔離規則に違反した疑いが浮上し、クレディ・スイスが内部調査を進めていた。
同氏は声明で「私の行動が当行に困難な状況をもたらした」とした上で、「辞任が当行と株主のためになる」と述べた。
オルタオソリオ氏は21年4月、クレディ・スイスが米アルケゴス・キャピタル・マネジメントや英グリーンシル・キャピタルとの取引で巨額の損失を出したことを受けて会長に就任。組織改革を委ねられ、11月に新戦略を発表していた。
後任の会長には同日付で、アクセル・レーマン取締役が就任した。