EUの対中WTO提訴、英が加勢

英政府は7日、EUがリトアニアに対する中国の差別的な貿易規制がEU単一市場にも悪影響を及ぼしているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴した問題で、同国が当事者間協議に参加する意向を表明した。中国の威圧的な対外戦略への警戒を強めている英国は、同紛争でEUに加勢する形となる。

リトアニアは2021年7月、台湾の大使館に相当する代表機関の設置を認め、11月に首都ビリニュスに「台湾代表処」が開設された。これに反発する中国は12月以降、報復措置としてリトアニア製品の通関や輸入申請を拒否しているほか、EU加盟国の企業に対してリトアニア産の原材料をサプライチェーンから排除するよう圧力をかけている。

EUの欧州委員会は1月末、これが差別的な貿易措置で、WTOルールに違反するとして、提訴していた。EUと中国はWTOの紛争処理手続きに基づき、当事者間協議に入る。60日以内に解決できない場合、WTOの紛争処理小委員会(パネル)で本格的に争うことになる。

当事者間協議には、当事国以外の国・地域も当該案件に関心、利害関係があれば、第三国として参加を要請することができる。英トレビリアン国際貿易相は、中国の貿易規制を「高圧的だ」と批判。同協議に参加し、EUと共闘することを明らかにした。

同紛争を巡っては、これまでに米国、台湾、オーストラリアが当事者間協議に参加する方針を打ち出していた。

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