英国のジョンソン首相は9日、イングランドで新型コロナウイルス感染者の隔離義務を2月中に撤廃したいとの考えを示した。実現すれば、新型コロナ対策の規制が全面解除される。
現在は検査で陽性となった場合、最短で5日間の隔離義務がある。同措置の適用期間は3月24日までとなっているが、政府は状況に応じて期限の前倒しを検討する方針を示していた。
ジョンソン氏は議会下院で「感染状況の改善が進めば、隔離義務を含めた残る規制を1カ月早く終わらせることができるだろう」と発言。今月21日にはコロナとの共生に向けた新たな戦略を提示する方針を示した。
英政府は新型コロナとの共生路線を取り、昨年7月にイングランドでほぼすべての規制を撤廃した。しかし変異ウイルス「オミクロン」の流行を受け、11月下旬に屋内公共スペースでのマスク着用義務などの規制を再導入。1月4日には1日当たりの新規感染者数が過去最多の21万8,724人を記録したが、その後は減少傾向に転じた。
この間にワクチンの追加接種が進んだことや、オミクロンは比較的重症化しにくい傾向にあることなどから、イングランドで段階的に規制を緩和。1月27日から公共交通機関や映画館などでのマスク着用義務や、ナイトクラブなどに入店する際に求められるワクチン接種証明の提示義務を廃止するほか、在宅勤務の推奨も打ち切った。さらに今月11日には水際対策も大幅に緩和され、2回のワクチン接種を完了した渡航者は入国後の検査が不要となっている。