商船三井は9日、ロシア2位のガス会社ノバテクが北極圏で進める液化天然ガス(LNG)生産事業向けの輸送事業で、新造の砕氷プロダクトタンカー1隻の定期傭船契約を締結したと発表した。中国の広船国際有限公司が積載容量5万4,800立方メートルのタンカーを建造し、2024年に竣工する予定。主にギダン半島のLNG・コンデンセート出荷基地から北極海航路を西回りで経由し、欧州までコンデンセートを輸送する。
同タンカーは摂氏マイナス50度を想定した寒冷地仕様で、前進時の最大砕氷能力は1.5メートルとなる。
商船三井は18年3月から、ギダン半島西隣のヤマル半島におけるLNGプロジェクト(「アークティックLNG」)の輸送事業向けに砕氷LNG船3隻を投入している。23年からはギダン半島のLNG生産事業「アークティックLNG2」の輸送事業にも砕氷LNG船3隻を投入する計画だ。
今後新たにコンデンセート輸送にも携わることで、北極海航路の知見を高め、環境負荷の低いエネルギーの輸送事業への取り組みを深めていく。また、ロシア産エネルギー資源の安定調達も図る。