露がウクライナ侵攻なら厳しい制裁、臨時EU首脳会議で一致

EUは17日、ブリュッセルで臨時の首脳会議を開き、ウクライナ情勢について協議した。緊張緩和に向けてロシアとの対話を継続する方針を確認するとともに、ロシアがウクライナに侵攻した場合は制裁を発動することで一致した。制裁の中身は明らかにしていない。

ボレル外交安全保障上級代表(外相)は記者団に対し、ロシアがウクライナに侵攻した場合の「制裁パッケージの準備は整っている」と発言。侵攻が始まれば「直ちに外相理事会を招集し、制裁を提案する」と述べた。実際に制裁を発動するには全会一致が必要だが、首脳会議では全加盟国の支持を得たという。

一方、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「ロシア側はウクライナ国境付近から軍隊を一部撤収させたと主張しているが、そのような兆候は見られない」」と指摘。そのうえで「外交による事態打開の道が閉ざされたわけではない。われわれは平和が勝利するという希望を捨てていない」と述べた。

EUは米国や英国と制裁の中身について調整を進めている。米国はロシア産天然ガスをドイツに運ぶパイプライン「ノルドストリーム2」をめぐり、制裁措置として計画を停止するようドイツに求めている。ボレル氏は「制裁パッケージは極めて厳しい内容で、エネルギーが最も重要な項目になる」と述べたが、ノルドストリーム2が制裁の対象に含まれるかなど、詳細については言及を避けた。

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