トルコが14日、主要食料品の付加価値税(VAT)の税率を8%から1%に引き下げた。インフレ加速を受けた措置で、すでに1%が適用されている小麦粉とパンに加え、乳製品、青果、食肉、米、食用油などへの課税が緩和された。
トルコのインフレ率は12月の36.1%から1月には48.7%まで上昇し、2002年4月以来19年9カ月ぶりの高い伸び率を示した。通貨リラ安が継続して輸入品を中心に価格を押し上げ、年初には一般世帯向け電力料金が約50%引き上げられた。食品や運輸でも値上がりが顕著だ。
生活費の急騰で国民の不満も高まり、最近では小規模な抗議行動もみられるようになった。最大野党の共和人民党(CHP)は、困窮世帯が増えると警告している。来年の大統領選挙では、物価動向が焦点のひとつとなりそうだ。
エルドアン大統領は低金利政策に固執しており、これがインフレ率を上昇させている。米格付け大手のフィッチ・インベスターズは11日、トルコの長期信用格付けを投機的水準の「BBマイナス」から「Bプラス」に引き下げた。見通しも「弱含み」のままで、今後、改めて格下げする可能性がある。