独がロシア産化石燃料依存から脱却、天然ガスは2年後に

ドイツのロベルト・ハーベック経済・気候相は25日、ロシア産化石燃料への依存度が高い状況から脱却する方針を打ち出した。石炭では今秋までの全面脱却、石油でも年末までのほぼ全面的な脱却が可能だとしている。他の国への調達先切り替えが難しい天然ガスは依存の大幅低減の時期が2024年半ばになると見込んでいる。

ドイツの輸入業者はロシア産石炭と石油の購入契約を更新せず、調達先をロシア以外に国に切り替えていく。この結果、石炭の輸入に占める同国の割合は今後数週間で50%から25%に低下。秋には輸入をゼロに引き下げることができる見通しだ。

ロシア産石油の輸入も年央までに現在の35%から25%低下。年末までには同比率がかなり低い水準まで下がる。露石油大手ロスネフチが独北東部のシュヴェットに製油子会社PCKを持つことから、ハーベック氏はロシア産石油の輸入がゼロになることはないとみている。

天然ガス輸入に占めるロシア産の割合は昨年55%に上った。今年第1四半期は約40%まで低下している。ただ、天然ガスの調達先をロシアから他の国に切り替えるためには生産国の増産やドイツでのLNG(液化天然ガス)輸入ターミナル建設などが必要なため、依存脱却に時間がかかる。

これに絡んでハーベック氏は、設置が簡単な浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備(FSRU)3隻の調達をエネルギー大手のRWEとユニパーに委託したことを明らかにした。両社はすでにFSRUの調達交渉を始めている。FSRUは今年と来年に稼働を開始する見通しだ。

上部へスクロール