ハンガリー中央銀行は22日、政策金利を1ポイント引き上げ、4.4%にすると発表した。利上げは10会合連続。市場は0.75ポイントの上げ幅を予想していた。インフレの高進に加え、ロシアのウクライナ侵攻によりインフレリスクが大幅に高まる中、積極的な引き締め策を継続する。
政策金利の下限となる翌日物貸出金利は3.4%から4.4%に、上限となる翌日物、7日物有担保付貸出金利は6.4%から7.4%に引き上げた。これについて中銀は、金利コリドー(上限・下限金利の差)を拡大し金融政策の対応余地を広げることが現在の状況では非常に重要だと説明している。
同国の2月のインフレ率は前月から0.4ポイント増の8.3%となり、11カ月連続で中銀の上限目標値(4.0%)を上回った。これは2007年8月(8.3%)と同等の水準。前年同月比で2桁上昇した食料価格をはじめ、燃料など様々な製品で値上がりが続いている。中銀は今後について、ウクライナの戦局や対ロ制裁の範囲と期間、政府の動向に左右されるとしたうえで、インフレ率は今年下半期から低下を始め、年間で7.5~9.8%の範囲に落ち着くとの見方を示した。
中銀は声明で、ロシアとウクライナの戦争は以前からの供給の混乱や価格の高騰に拍車をかけており、インフレを加速させていると指摘。ハンガリーを含む中東欧地域は両国に地理的に近く貿易量も多いため特に影響が大きいとしたうえで、インフレ見通しが目標値で安定し、インフレリスクが安全圏に後退するまで利上げを継続するとしている。