欧州ビール大手のカールスバーグ(デンマーク)は21日、ロシア事業の売却によって95億デンマーククローネ(約1,770億円)の評価損が生じるとの見通しを示した。同社は3月末、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けてロシアから撤退し、同国での事業を売却すると発表していた。
カールスバーグはロシア最大のビールメーカー、バルティカの親会社。ロシア国内の8カ所に工場を持つ。売上高の9%をロシア事業が占める。ロシアで保有する固定資産の評価額は2021年末時点で192億デンマーククローネだった。
同社はロシア撤退を発表した際、「多額の損失が生じる」としていたが、具体的な数字は示していなかった。声明によると、売却までに最長で12カ月はかかる見込み。売却の目途は立っておらず、評価損が今回の試算から大きく変動する可能性があるとしている。