欧州委のクアルコム制裁、欧州裁が無効判決

欧州司法裁判所の一般裁判所は15日、EUの欧州委員会が半導体大手の米クアルコムにEU競争法違反で9億9,700万ユーロの制裁金支払いを命じた問題で、同決定を無効する判決を下した。制裁手続きに問題があったと判断した。

欧州委は2018年1月、クアルコムがスマートフォンやタブレット端末などの無線通信や信号を制御する半導体であるベースバンドチップについて、世界最大手の地位を悪用してアップルに圧力をかけ、ライバルのインテルなど他社の製品を不当に締め出したと認定。9億9,700万ユーロの制裁金支払いを命じた。

これに対してクアルコムは、欧州委が問題視している行為はアップルとの合意に基づくもので、EU競争法に違反していないとし反論。欧州委の決定を不服とし、欧州裁に提訴していた。

欧州裁はクアルコムの行為がアップルを他の半導体メーカーの製品を使わないように仕向けたことを欧州委が十分に立証していないなど、複数の問題があったとして、クアルコムに軍配を上げ、制裁を無効とした。

欧州委は判決内容を精査した上で、上訴するかどうかを決めるとコメントしている。

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