2010/3/24

ロシア

対アジア小麦輸出拡大に意欲

この記事の要約

世界3位の小麦輸出国であるロシアが、アジア市場の開拓に意欲をみせている。政府は中長期的に需要の伸びが予想される穀物を戦略輸出品と位置付け輸出拡大に力を入れており、世界最大の小麦消費市場の一つであるアジアを取り込みたい考え […]

世界3位の小麦輸出国であるロシアが、アジア市場の開拓に意欲をみせている。政府は中長期的に需要の伸びが予想される穀物を戦略輸出品と位置付け輸出拡大に力を入れており、世界最大の小麦消費市場の一つであるアジアを取り込みたい考えだ。

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ロシア政府は11年までに日本への輸出を年間100万トンに拡大させる意向を表明しているほか、バングラデシュとも年間30万トンを供給する方向で協議している。主要穀物企業で組織するロシア穀物協会によると、2009年に50万トンだった小麦の対アジア輸出は、12年までに150万~200万トンに拡大する見通しだ。

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オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のストラテジスト、ブリッグス氏は、ロシアがアジア向け小麦輸出を拡大するためには、輸送インフラと品質という2つの課題をクリアする必要があると指摘する。ロシア東部の沿岸には穀物の積み出しに必要な施設がないため、アジアへの出荷は黒海沿岸の港湾から行っているが、輸送期間が平均で25日と長期にわたるのが難点となっている。政府は最大1億米ドルを投じて東部沿岸に積み出しインフラを整備する計画だが、完成には少なくとも2~3年はかかる見通しだ。

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また、主に飼料用として輸入される大豆やトウモロコシと違い、食用に利用される小麦の品質に関してアジア市場の目は厳しい。このため、「たとえロシア産小麦が安価であっても、品質の問題がクリアされない限りまとまった量が動くとは考えにくい」(住友商事・桧垣氏)と指摘する声がある一方で、「当初は品質よりも価格に敏感なマレーシア、インドネシア、ベトナムといった国をターゲットに輸出を拡大し、品質を重視する日本や韓国は時間をかけて開拓する戦略をとるのではないか」(シンガポールの穀物商社のトレーディングマネジャー)という見方も出ている。

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