2011/6/29

ロシア

ロシアの官製新ファンド、海外投資家が注目

この記事の要約

ロシアでこのほど設立された官製ファンド「ロシア直接投資ファンド(RDIF)」が、外国人投資家の関心を集めている。22日付けの『モスクワ・タイムズ』が報じた。\ RDIFはロシアに海外マネーを呼び込むため設立されたファンド […]

ロシアでこのほど設立された官製ファンド「ロシア直接投資ファンド(RDIF)」が、外国人投資家の関心を集めている。22日付けの『モスクワ・タイムズ』が報じた。

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RDIFはロシアに海外マネーを呼び込むため設立されたファンドで、運営はロシア開発対外経済銀行(VEB)の子会社が担当する。外国投資家との共同プロジェクトへの出資を目的としており、プロジェクト1件当たり5,000万~5億米ドルの出資を想定している。共同出資者(パートナー)は運用資産あるいは年間売上高が10億ドル以上であることが条件となる。メドベージェフ大統領は17日にサンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムでRDIFの設立を正式に発表し、同ファンドに対する関心は「非常に高い」とコメントした。

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世界最大の資産運用会社である米ブラックロックのシュワルツマン会長は、RDIFの設立は「ロシアの法体制や汚職に懸念を抱いている多くの外国投資家にとって喜ばしいニュースだ」とコメント。同社がRDIFとの共同プロジェクトへの参加を検討していることを明らかにした。米大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤングのターリー最高経営責任者(CEO)は、「RDIFの最も重要な役割は、ロシアに進出経験のない企業に対して投資に関するノウハウを提供することだ」と語る。米大手投資ファンドTPGの共同創設者であるボンダーマン氏は、「大きな可能性を秘めたロシアに投資する場合、現地にパートナーが必要だ」とRDIFの設立を歓迎する一方で、インフラのように伝統的にリターンの低い分野に投資する場合には注意が必要だと指摘する。また、英国のグリーン貿易投資相は、RDIFは、「ロシア経済を開かれたものにするためのクレムリンの努力の一端だ」と評価する反面、ロシアに投資する際に障害となっている行政障壁などの問題を解決しない限り、外国企業による投資は進まないとの見解を示した。

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政府はRDIFに今後5年間で100億ドルを注ぎ込む方針で、今年は620億ルーブル(22億米ドル)の予算を配分している。VEBのドミトリエフ総裁は20日、年内に1~2件の案件が成立する見通しであり、出資額は5億米ドル程度になると明らかにした。

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