中欧のコークス製造大手でオランダに本拠を置くニューワールドリソーシーズ(NWR)は24日、2011年4-6月期の利益で8,400万ユーロを計上したと発表した。価格上昇と需要拡大が追い風となり、大方の予測を上回る好業績となった。
\売上高は4億5,500万ユーロで前年同期を18%上回った。石炭及びコークス生産量は3%増の290万トンに拡大したに過ぎなかったが、価格の上昇が売上高を押し上げた。
\上半期決算は、売上高が8億4,000万ユーロと17%増加したのに対し、最終利益は8,700万ユーロと24%減少した。これは、前年同期にエネルギー事業売却と税金償還で約1億200万ユーロの特別収入を計上したのが理由だ。
\サラモン社長は、今年の売上・生産目標は達成できる見通しとした上で、長期的な収益予測は難しいとの見方を示した。欧州を中心としたマクロ経済環境の見通しが不透明なことと、最近の株価下落を理由に挙げた。
\今年、石炭とコークスの売上比率を半々にする目標は修正し、石炭52%、コークス44%、微粉炭4%になるとの見通しを示した。来年はコークスの生産強化と売上高拡大を目指す。
\NWRは、チェコのOKD(無煙炭)、OKK Koksovny(鋳物用コークス)を傘下に持つ。事業の中心はチェコだが、ポーランド、オーストリア、スロバキア、ハンガリー、ドイツの鉄鋼会社・エネルギー企業とも取引がある。最近ではウクライナにも目を向けている。
\なお、ポーランド・シレジア地方のデビエンスコにおける炭鉱開発について同社は今年6月、実施を正式決定した。同炭鉱の推定埋蔵量は1億9,000万トンで、2017年の生産開始を予定している。
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