ウクライナ政府が実施したシェールガス田開発免許の入札で、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルと米シェブロンが落札企業に選ばれた。アザロフ首相が11日、テレビ放送局「ユーロニュース」に語った。落札額は明らかにされていない。イタリアのエニ、米エクソン・モービル、ロシアのTNK-BPも応札していた。
\今回の入札は、東部のドネツクおよびハルキフ州にまたがるユジフスク・ガス田と、西部リヴィウ州のオレスク・ ガス田の採掘権を対象に実施された。
\シェルとシェブロンは、国営エネルギー大手のナドラ・ウクライニおよび民間コンサルティング会社のSPKジオサービスと生産分与契約(PSA)を締結することになる。
\必要投資額はユジフスクで2億5,000万~3億米ドル、オレスクで1億5,000万~2億ドルと見積もられている。入札参加料はユジフスクが190万ドル、オレスクが130万ドルだった。
\米国エネルギー情報局(EIA)の調査によると、ウクライナの可採埋蔵量は1兆2,000億立方メートルと、欧州ではポーランド、フランス、ノルウェーに続き第4位。ウクライナ国家地質局はこれよりも多く、ユジフスクで2兆立方メートル、オレスクで8,000億~1兆5,000億立方メートルと推定する。
\ウクライナはガス需要の3分の2をロシアから輸入している。過去数年間に調達価格は上昇し続け、今年は千立方メートル当たり平均415ドルにも上る見通しだ。
\ウクライナのナフトガスは2009年にガスプロムと10年間のガス調達契約を締結。しかし、価格が高すぎるとして昨秋以来、現行契約の改定を求めている。ガスプロムはナフトガスとの合併を条件として話し合いに応じる姿勢を示したが、ナフトガス側がこれに難色を示し、交渉は足踏み状態だ。
\このような状況を受け、ウクライナは調達先の多様化を目指している。規模は小さいながらも独RWEと供給契約を結んだほか、アゼルバイジャンとは年間150億立方メートルの輸入に向けて交渉を進めている。(東欧経済ニュース3月7日号「ウクライナ、シェールガス開発権の入札を開始」、本日号「ウクライナ、TANAP計画への参加に意欲」を参照)
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