欧州連合(EU)の欧州委員会が競争法違反の疑いでガスプロムの調査を開始したことに対して、プーチン大統領は9日、「非建設的」と批判した。ガスプロムに法的措置をとることで、ユーロ圏の抱える問題を隠そうとしているだけとの見方だ。
\大統領はウラジオストクで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)後の記者会見で、今回の嫌疑は政治的影響力の回復を図る欧州連合(EU)の試みと非難した。中東欧からの新加盟国に対する資金援助の約束を果たすため、その資金の一部をロシアから調達しようという魂胆としている。一方で、EUと「通商戦争」を始めるつもりはないと断った。
\欧州委はガスプロムが中東欧8カ国における独占的地位を乱用し、価格を不当に吊り上げたと疑っている。競合の参入を阻み、世界の市場から切り離すことで、交渉力を強化したとの見方だ。
\対象となるのはポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、ブルガリア、ハンガリー、チェコ、スロバキアの8カ国における事業。これらの国はガスプロムへの依存が強く、提示された取引条件を受け入れることを余儀なくされたという。
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